突然だがエルフェンリートというアニメをご存知だろうか。
このアニメ、グロ系アニメで、絵は萌え系の美少女が出てくるのに、とてもグロい。
確実に子供には見せられない。
今回はこの物語についてではなく、音楽について書くので、話のあらすじや詳しいことはこちらで確認してほしい。(エルフェンリート)
とても美しい曲。聞いた瞬間衝撃を受けた
このアニメ、海外ではとても人気が高い。
私がこのアニメを知るきっかけとなったのは、某SNSにてスペイン人の友人の好きなアニメが、日本の「エルフェンリート」だと紹介していたのだ。
日本人なのにこのアニメを知らなかったので、(恥ずかしくて)調べてみた。
そして気になってアニメを見始めた。
いきなりオープニング曲で私は衝撃を受けた。
すごく良い曲だったのだ。
私は前から合唱曲、特に聖歌隊が歌うような曲が大好きだったので、この曲に一目惚れした。
そしてすぐに調べたのだが、意外にこの曲の作曲者はこの曲以外に曲が見つからなかった。
そして当時CDが欲しかったのだが、この曲が入っているサウンドトラック的なものはなかったのだ。
ただし初回限定版のDVDに付属でCDが付いている。
どうやら数年前に、やっと楽譜とCDが出たらしい。
日本でこの曲を歌っている人はほぼいなく、海外で高評価を受けているこの曲は色々な聖歌隊が歌っている。
まずはこちらアニメで使われている曲を紹介する。
アニメ:エルフェンリートより『LILIUM』
歌詞
LILIUM
作詞・作曲・編曲:小西香葉 & 近藤由紀夫
Os justi meditabitur sapientiam.
正しき者の唇は、叡智を陳べ
Et lingua ejus loquetur indicium.
その舌は 正義を物語る
Beatus vir qui suffert tentationem,
幸いなるかな 試練に耐え得る者よ
Quoniam cum probatus fuerit accipiet coronam vitae.
これらを善しとせらるる時は 命の冠を受くべければなり
Kyrie,fons bonitatis
総ての善良の源泉である 主よ
Kyrie,ignis divine, eleison
主よ 聖なる炎よ、憐れみたまえ
O quam sancta, quam serena
おお、何と聖なるかな 何と静かなるかな
quam denigna, quam amoena
何と慈悲深きかな 何と情愛厚きかな
O castitatis lilium
おお、清廉なる白百合よ
1~2行目 旧約聖書「詩篇」37-30より
3~4行目 新約聖書「ヤコブ書」1-2より
5~6行目 グレゴリオ聖歌「キリエ・エレイソン」より
7~9行目 賛美歌「めでたし世の希望なるマリアよ」より
美しい
もうこの一言。
美しい。
そして一番不思議なのが日本の作品なのに日本人がほとんど知らないこと。
音楽を勉強している人も知らない。
少なくとも私の周りにはいない。
ぜひプロの人にも歌ってほしいが、無名…。
学校の教材に入れてほしいし、もっと評価されてもおかしくない曲だ。
ただ問題は、アニメの内容…。
ただただグロい…。
そしてこういう世界観が分からなければ理解できないものだ。
私は、この曲の意味を理解するために、頑張って全部観た。
(ちなみに音楽家あるあるで曲のイメージを持つために、こういった勉強は惜しまない。)
海外の合唱団Ver.
こんな感じで、海外では合唱で色々な人たちが歌っている。
日本人の合唱団の歌っているものは、探しても見つからない。
もっと有名になっても良いのに、という願いを込めて今回記事にしてみた。
ちなみに日本人が歌っているものもちらほらあったのだが、とてもここに載せられなかったので割愛させていただく。
良い曲なので自己満足的なものが多かった。(おそらく敵を作る言い方(笑))
その中で唯一許せたのがこの方の演奏。
なんで日本人の演奏は酷いものが多いのか考えた。
アニメを観ていないか、もしくはこの曲に対するリスペクトが足りないか。
演奏の上手な人ってその音楽に対する勉強って惜しまない。
でもにわか演奏者ってここ割愛する人が多い。
なので私が音大に通っている時も、勉強を惜しまずしているかしていないかでレベルが顕著に表れていた。
楽曲分析やその曲が作られた背景とか作曲者のその時の心情・性格とか一曲に対して勉強することは山ほどあるのだ。
話は逸れたが、海外で歌われたものの方がレベルが高かった、ということだ。
最後に
最近では割とポピュラーになってきましたが、音楽勉強している人がゲームやアニメ音楽を演奏するって昔はちょっと白い目で見られていたんです。
でも良い曲は良い曲だし、私は偏見を持たず紹介できたらなと思います。
エルフェンリートのアニメは色々と考えさせられるアニメで、一度は見てみることをお勧めします。
舞台も鎌倉で、鎌倉大好きな私は要所要所で鎌倉が出てきて嬉しかったです。
オープニング曲の絵はグスタフ・クリムトの絵を基にして描かれたもので引き込まれます。
この曲と相まって神秘的な感じです。
ぜひ観てみてください。